『なんとなく生きられなくなった日本人』&落語一席

 昨夜、誠に誠に遅ればせながら、初めて六本木ヒルズへと行ってきました。
 六本木ヒルズ森タワー51階に、会員制のボードルームがあり、そこで、表題の講演と落語を話すためでした。

 昨夜のセミナーは2部構成になっており、PARTⅠで、「グローバル人事マネジメント」のレクチャーがあり、そのPARTⅡがぼくの受け持ちでした。
 聴衆は、だれもが知っているような会社のエグゼクティヴクラスですから、むしろ、ぼくの方が、聴衆になりたかったほどです。

 『なんとなく生きられなくなった日本人』の内容を、ここで詳細に御紹介するわけにはいきませんが、大雑把に言うと、日本人はたとえば、寿司屋に入って注文する場合、テーブルならばまだしも、カウンターならば最も多い注文の仕方は、「いいところを見繕って、適当に握ってよ」と、なるのではないでしょうか。

 ところが、これは欧米人には納得し辛いのではないでしょうか。なぜならば、たとえば、“SUBWAY”というサンドイッチチェーンがその典型ですが、あそこで注文する場合、パンの種類から始まり、中に入れる具や味付けの仕方まで、微に入り細を穿って、1から10まで店員は客に選択を迫ります。それは、それが親切だと思っているからなのです。つまり、お客様のどんな好みにでも対応しようとする、誠実の証として、細かく注文を訊くわけですね。

 翻って、日本の場合は、敢えて細かく指定しないで、上述のように、「適当に握ってよ」と、客は板前さんに委ねることで、板前はその意を汲んで、適当に握ることが、誠実の証、となるわけです。

 いまや、公立の小学校に入学する場合も、選択制をとる自治体が増えているのですから、もはや、日本人は事あるごとに選択を迫られるようになっている、その現状をお話したのでした。

 聴衆にも恵まれ、とても楽しい講演となりました。

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