「量的緩和政策解除」

 ご存じのように、日銀は5年続けた、量的緩和政策を解除しました。

 エコノミストの真贋を見分けるのは、至難の業でもあるのです(⇒「らん読日記」http://www.ranjo.jp/cgis/randoku/data/1096785972.html)が、さて、量的緩和政策を日銀が導入した際に、経済学者は、それをどう説明していたか。

 インフレもデフレも貨幣的現象であり、日銀が当座預金という量を増やせば、デフレは簡単に止まると主張していました。

 ところが、量的緩和採用後、実際に貨幣量は著しく増加しましたが、マネーサプライが増えることはなく、量の増加に反応して物価が上昇することも、ありませんでした。

 つまり、有力経済学者が主張したような効果が生まれたとも思えず、量の増加に、喧伝されたような経済的な意味はあったとも思えないのですが、ただ、貨幣の流動性を高めた御蔭で、金融システム不安の顕在化は防げ、経済活動を収縮させることは食い止めることに成功しました。