「意外にも、若者は変わっていません」

 今日の朝日新聞夕刊文化欄に、『「困った若者論」に異議あり』という記事が、ありました。

 それによると、本田由紀(東大助教授)が指摘しているのは、ニートは10年前比、1.27倍増であって、若年失業者やフリーターに較べて顕著な伸びではないし、働く意思がないタイプに限れば、その人数は10年前とは変わっていない、とのこと。

 本田は、ニート発生の原因は若者の甘えではなく、安定した就業機会の不足という労働需要の構造の問題だ、と指摘する。
 その是正に向けた努力と、若者が個人として労働市場を生き延びる支えとなる学校教育を作り上げていくことが肝心と、続ける。

 その矛先は、同僚の玄田有史(東大助教授)にも向かい、「(玄田の論は)若者がいかに自信を喪失しているかを強調し、彼らを劣った存在と連想させる結果を招いた」と批判し、
必要なのは、若者の内面に踏み込んだ励ましや説教ではない、と力を込める。

 また、浅野智彦東京学芸大学助教授)は、「大きく変わったのは、若者に向ける社会の眼差しの方ではないか」と指摘する。

 たしかに、そうかもしれない、と思わせます。