「町田市議会平成19年第1回定例会一般質問」

 わたくし、三遊亭らん丈は、町田市民の意思を代表する町田市議会の一員として、また政策集団「まちだ新世紀」の一員といたしましても、声なき声に耳を澄ませつつ、暫しのお時間を頂戴し、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。
 傍聴の皆様におかれましては、市政への大いなる関心を持って、強風のなか、足をお運びくださいまして、ありがとうございます。
 また、私も含めて現在議員の間では、風邪が蔓延しております。くれぐれも、傍聴の方々はご健康にご留意いただきまして、お帰りの際には、お足元にお気をつけてお帰り下さいますように。

 早いもので、昨年初めてこの町田市議会における議席を頂きましてから、1年が経とうとしております。
 定例会におきましては、今回5回目の質問となりますが、前回、平成18年第4回定例会の12月6日に、QRコードを「広報まちだ」等の紙媒体に掲示してはどうか、といった内容の一般質問をしたところ、それが、なんと、その36日後、今年の1月11日号の「広報まちだ」に、QRコード掲示されているのを発見し、町田市行政のスピード感溢れる機動性の一端を再認識させられた次第です。
 ですから、この質問でもそのような速やかなる御対応を期待いたしまして、本日のトリを取って、質問を始めさせていただきます。

 今回は、3つの大きな項目を提示させていただきました。
1、市職員の採用と退職に関して
2、審議会委員の選定方法に関して
3、市内のモニュメントの告知について

 まず市職員の採用と退職に関して、から始めましょう。
 この定例会、一般質問の2日目でございますが、初日に、「格差社会」という言葉が頻出しました。
 これは、今日の日本を考える上では、欠かせない視点だというのが、共通した認識だと思われます。
 ほんの20年ほど前までの日本、特に1970年代から80年代初頭ににかけて、“一億総中流”という言葉が、巷間じつに頻繁に使われておりました。
 ところが、1980年代半ばからじわじわとジニ係数が日本では上昇し始めました。
 ジニ係数とは、所得格差を表す代表的な指標であり、係数の範囲は、0から1までで、0に近いほど格差が少なく、1に近づくほど格差が開くという指標です。
 一般的には0.3〜0.4が通常の値と言われており、0.5を超えると格差が大きくなりすぎ、社会の歪みが許容範囲を超えるので、社会政策などで是正することが必要とされる、とされております。
 1984年のジニ係数は、0.252、1994年は0.265と上昇しております。
 これが、2002年になりますと、危険域である0.5に跳ね上がります。
 ちなみに、これは当初所得ですが、ジニ係数が0.5ということは、25%の高所得者が所得総額の75%を得ていることを表しているのです。
 また、日本の際立った特徴としては、所得の再分配後の可処分所得ベースの格差が拡大していることが挙げれらます。
 このように、ジニ係数という指標を見る限り、日本では確実に較差が広がっているというのが、隠しようがない事実のようです。

 さて、そんな日本の、ここは、町田市議会であります。
市長は、先の施政方針におきまして、「市民すべてが希望の持てるまち」にしたいという思いを市政運営の基本理念にしていると披瀝していらっしゃいましたが、これは大変に素晴らしいことだと、思います。
 なぜならば、日本の伝統に則っているからであります。

 日本では古来、深い叡智に基づいたことわざがじつにたくさんございますが、なかに「七転び八起き」ということわざがございます。
 これはいうまでもなく、人生では成功失敗は激しいことゆえ、度々の失敗にも屈せずあくまで奮起して努力すると、最後には成功するという意味ですが、この「七転び八起き」の素晴らしいところは、転ぶのは7回で、起きるのが8回ということなのです。
 つまり、「七転び七起き」では、ないのです。
 最初にまず、転んでいる、そこからまず起き上がる、これで1回ですね。あと、7回転ぶわけですよ。その転んだ後、7回起き上がるわけですね。こうして、「七転び八起き」になるわけです。
 このように、日本人は古来先ず始めは、転んでいる状態にあるものの、旺盛なチャレンジ精神によって、起き上がり、その後7回転んでも、その都度、起き上がることを、このことわざは、端無くも表現しているのではないでしょうか。

 また、中央政府におきましては、昨年12月26日に再チャレンジに関する関係閣僚会議が開かれまして、安倍首相が看板政策に掲げる「再チャレンジ支援総合プラン」が正式に了承されました。
 そこでは、フリーター・ニート対策としまして、30代の人材を国家公務員で中途採用するという新規施策も盛り込まれました。
 この施策を安倍首相は具現化するべく、さる3月2日、国家公務員への30代での中途採用策として、今年秋に実施する中途採用者選考試験(再チャレンジ試験)の概要を発表しました。
人事院によると、経験や能力に着目した中途採用は過去に例があるものの、フリーターらの再起などを念頭に、大規模な中途採用をするのは初めてとのことです。

 1967年4月2日〜78年4月1日に生まれた方が対象。採用当初の給与は、過去の経験によって異なりますが17.5万〜24万円程度といいます。
 職種は行政事務、税務、機械、土木、林業皇宮護衛官、刑務官、入国警備官の8区分で計100人程度。17〜21歳未満を受験資格とする国家公務員3種試験と並ぶレベルとし、1次試験では高校卒業程度の内容の問題が出されるとのことです。

 このように、内閣総理大臣が、再チャレンジ支援総合プランを推し進めている現状があるなかで、
1)町田市における職員採用にあたって、現在大卒程度では26歳が上限となっており、適宜採用される社会人経験者においては36歳が上限となっているが、その妥当性について伺います。

2)採用した市職員のうち、管理職に就く方がある程度いるわけですが、職員が部長等に昇進する際、市長が最も相応しいとお考えの年齢をお知らせください。

3)昨年10月に、市職員に対して「人材育成に関する職員の意識調査」を行いましたが、その中間報告に関して、特段に町田市の執行部において、留意しなければいけない問題点が発見されたとすると、それは何かをお知らせください。

 引き続きまして、大項目の2、審議会委員の選定方法に関して伺います。
 町田市には現在約40の審議会が設置されていると聞いております。
 審議会を設置する際に、多くの場合、学識経験者を委員に入れていますが、その学識経験者は、どのような基準で選んでいるのか、それをお知らせいただきましょう。

 最後に、大項目3、市内には、著名な芸術家によるモニュメントが数多くございますが、その告知についてです。

 たとえば、3月3日の朝日新聞夕刊には、“日本の具象彫刻界を代表する佐藤忠良さん”、という記述がありますが、佐藤忠良さんの作品は、市立室内プールの玄関前に「若い女・シャツ」というタイトルで掲示されています。
 その佐藤忠良さんと双璧をなして、戦後日本を代表する彫刻家として活躍した舟越保武さんの作品は、中央図書館のエントランスにございます。

 また、ロマン・ロランに称賛された高田博厚さんの作品は、JR町田駅構内に「あした」というタイトルで、展示されています。

 今年1月にオープンした、国立新美術館は、大きく波打つガラス張りの外壁が特徴的で、今や東京のトレンディスポットとなった感がありますが、この美術館の設計者は、来月の都知事選挙への立候補が取り沙汰されている、黒川紀章さんですが、黒川作品は、まちだターミナルプラザ前デッキにある「シティゲート」です。

 このように、実にたくさん、それも世界的な評価を得た作家の作品が、他ならぬこの町田市内にあるということは、市民にとっては、大いなる誇りとするところです。

 ところが、それらのモニュメントがどこにあるか、一目瞭然とするパンフレットがないので、なかなか市民もそれを認識できない状況を改善するために、是非パンフレットを作成してはいかがでしょうか。
 それに関する取組みを御答弁くださいますように、お願い申し上げます。

 以上、壇上より、らん丈が熱情をこめて質問させていただきましたので、理事者の皆様に置かれましても、どうぞ、御真情溢れる御答弁をお願い申し上げます。

 3月6日以降こちらで、録画をご覧になれます。⇒http://www.gikai-machida.jp/live/f_live.html