「『タクシー料金』」

 6月27日朝日新聞朝刊「経済気象台」で、啄木鳥氏は、『タクシー料金』と題し、タクシー料金の値上げが議論されていますが、それを“まさに論外”と斬って捨てています。

 それによると、2002年の需給調整規制の廃止は、新規参入を促し利用者のために、料金、サービス改善を実現することが狙いだったはずです。
 ところが、新規参入に加えて、大手タクシー会社も売り上げ拡大のために増車し、運転手も増やしたために、運転手一人当たりの売り上げが落ち、給料は歩合制なので、当然、運転手の手取り額が減る。

 けれど、“運転手の待遇改善には、歩合制や運転手の取り分のあり方など労使による見直しが先決である。”と記し、“今の雇用環境が続けば、早晩タクシーの運転手になり手がいなくな”り、“そういう形で運転手過剰問題は解決する。そうなれば自動的に運転手1人当たりの売り上げは改善し収入も増えるはずである。”と続けます。
 重要なのは、良質運転手の育成努力と、運賃、サービス面など全般での改善です。
 “逆にタクシー運賃を一斉に値上げすれば、国民はタクシーから遠のく”のです。

 つまり、国家の価格への介入は、結果的にその産業を衰退させてしまうのです。