明白の原則
政策的な判断は、裁判所よりも政治部門の方がよりよくなしうるという観点から、当該規制措置が著しく不合理であることの明白である場合に限って違憲とする。
このように、著しく不合理であることが明白かどうか、それが論議される。
最も緩やかな審査基準であるために、立法裁量の範囲が広いことを意味している。
LRA:less(least) restrictive alternative(s)
同じ立法目的を達成するため規制の程度のより少ない手段が存在するかを具体的実質的に審議し、そのようなより制限的でない手段があり得ると解される場合は、当該規制立法を違憲とする基準である。
この基準は、立法目的の達成にとって必要最小限の規制手段を要求する基準と言い換えることもできる。
〔第二審判決〕
※札幌高裁(1978.5.24)
(a)国会の立法義務が明白な場合、(b)国会が立法義務を故意に放置する場合、に違憲審査権を肯定したうえで、在宅投票制を復活しなかった立法不作為が憲法に違反するとして、違憲性・違法性を認定する判断を示しつつも、結果的には、本件で問題とされた1969年以降の国会議員の故意・過失を否定して、原判決を取消し、被控訴人の請求を棄却した。
〔第三審判決〕
※ 最高裁(1985.11.21)
「原則的に国会議員は立法に関して政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的責任を負わない」として、立法不作為を司法審査の対象にすることに消極的である。
憲法47条の立法裁量論を前提として、この種の立法不作為に国家賠償法を適用することを拒絶した。
このため、立法行為への国家賠償法の適否とりわけ立法不作為の違憲性を国家賠償請求訴訟を通じて問題にする場合の訴訟要件や、この場合の国家賠償法1条の故意・過失の認定基準等をめぐって議論が展開されることになった。
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