「大学も変わったものです」

 ぼくは1959年生まれのおじさんですが、初めて大学を意識したのは、1969年の東大安田講堂封鎖解除における、学生と警官隊との攻防でした。

 当時の東大生橋本治は、それをこういっています。
 “ともかく学生が暴れてしまって教授が怖がっているんですよ。専門に進んだとき教官連中が、「あなたたちが何を書いても構いません。ただ、私たちにわかるように書いてください」”

 それで、橋本は、勉強というのは自分がわかりたいことをわかるということであっていいんだな、と思ったそうです。

 ケンブリッジ大学の初の女性学長、アリソン・リチャードさんは、「非効率でも、ちょっとばかげたことでも、探求する自由があること」が、ケンブリッジ大学において、82人もノーベル賞受賞者を輩出させることができた土壌である、と指摘していました。

 大学は、universityであるとともに、diversity(多様性)でもありますね。