「音楽座ミュージカル『メトロに乗って』観劇」

 東京芸術劇場 中ホールで、12月30日まで公演中の音楽座ミュージカル 『メトロに乗って』http://www.ongakuza-musical.com/sakuhin/metro_archive.phpを、今日観劇してまいりました。

 音楽座の稽古場が町田市内にあり、以前から興味はあった劇団でしたが、今日その願いが嬉しくも実現したのです。

 このミュージカルの原作は、今最も脂が乗っている作家浅田次郎さんです。
 浅田次郎は、『鉄道員』(ぽっぽや)や『椿山課長の七日間』でも、異次元空間をその作品に登場させましたが、この『メトロに乗って』でも、タイムスリップを活用し、登場人物は、昭和という時代を遡行します。

 こうして、観客はほんの少しの過去、昭和という時代を眼前に見ることになります。

 思えば、昭和という時代はなまじ近いだけに、その距離感の取り方に戸惑うこともありますが、昭和39年の東京オリンピック、第2次世界大戦、昭和の初期を並列させることで、豊穣な庶民文化をステージ上に現出させることに、音楽座は成功しました。

 それを導出させるのは、父を乗り越えようとする息子の思いです。

 音楽座は、ワームホールプロジェクトという、自律性をもち変化に対応するシステムを導入することによって、日本にミュージカルを根付かせることに成功したようです。
 是非、音楽座にご注目ください。