「正月に読んだ本」
元日から昨日にかけて、丸谷才一、三浦雅士(立教大学大学院特任教授)、鹿島茂(共立女子大学教授)による、『千年紀のベスト100作品を選ぶ』(光文社知恵の森文庫)を読みました。
タイトル通りの本ですが、丸谷才一はあとがきでこのように記しています。
“この1000年間になつて日本人ははじめて、世界史において独自のものを創造し、人類文化に貢献した。王朝の文藝も、琳派と浮世絵も、この千年紀に属するもので、それはやがて世界に紹介されて人類全体の文化を豊かにした。では日本文化のこれからの1000年間はどうなるだろうか。
そこでこの期間に人類は何をしたのか日本人は何をしたのかを具体的に回顧し検討しようといふのがわれわれ三人の企てであつた。
そのためには人類文化のさまざまな分野(藝術および文学)から最もすぐれた百点を選ぼうといふことになつた。”
という趣旨で選ばれた数々が、本書に載っています。
ベスト100のうち1位は、ちょうど1000年前に書かれた『源氏物語』、最後は、ジョン・コルトレーンの『至上の愛』です。
音楽に限れば、モーツァルト『クラリネット五重奏曲』、『フィガロの結婚』、ストラヴィンスキー『春の祭典』、プッチーニ『トスカ』、チャイコフスキー『白鳥の湖』、バッハ『マタイ受難曲』、ラヴェル『ボレロ』、ヴェルディ『椿姫』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、ショスタコーヴィッチ『弦楽四重奏曲13番』、ベートーヴェン『弦楽四重奏曲15番』、マーラー『交響曲第5番』です。
いかがでしょうか。
といわれてもねぇ。