「『日本は美しいか』」

 WEDGE2月号から連載が始まった「新・地球学の世紀」での、松本健一麗澤大学経済学部)教授の次の文章に、眼を引きつけられました。

 “かつての「強い国」が軍事力、「豊かな国」が経済力にその重心をおくとするなら、「美しい国」は文化力に重心をおくべきだろう。日本の文化こそがその美しさを形づくる、と。
 とはいえ、そんな美しい文化がどこにあるというのか。
 (中略)日本の美しさは、すでに言葉という、民族の記憶の集積、いいかえると文化の象徴のなかにしかない。一例をあげてみよう。日本の「はし」である。
 日本の「はし」という言葉は、本来、繋ぎ合わさっていない、次元の異なるものを、繋ぎ、結び、合わせることを意味する。向こう岸(彼岸)とこちら側(此岸)を結ぶものとしての「橋」、天と地を結ぶものとしての「梯子」、天上人と地下(じげ)を結ぶものとしての「階(きざはし)」、大海の船と波止場を繋ぐものとしての「艀」。神の下された食物と人間の口を繋げるものとしての「箸」。”

 なるほど、美しい言葉です。