「後期高齢者医療制度」

 先の、衆院山口2区での自民党完敗の敗因を、後期高齢者医療制度であることを福田首相は認めたようですが、後期高齢者医療制度は、そんなに悪い制度ではないという意見もあります。

 たとえば、小塩隆士(神戸大院経済学研究科)教授は、4月23日の朝日新聞朝刊で、“高齢者医療制度が従来のままでは維持が難しいという状況をきちんと認識すべきである。”と記し、国民一人あたりの年間医療費が、65歳未満が約16万円なのに対し、後期高齢者を含む65歳以上は約65万円で、人口の中で75歳以上の比率は、05年の9%から25年では18%に上がると指摘しています。

 同じく、朝日新聞の今日の朝刊では、権丈善一(慶大)教授が、“後期高齢者制度では、これまでの複雑な制度に比べ、高齢者だけ独立させたことで「老人の医療費をだれがどう賄うか」という仕組みが見えやすくなった。”と指摘しています。

 たしかに、この制度は、低所得層への配慮が乏しいという欠陥はありますが、廃止すれば、74歳以下の方の負担は今まで以上に増えるのです。