「加藤周一さん墜つ」

 御存じのとおり、加藤周一さんがお亡くなりになりました。
 まさに、巨星墜つ、の感ありです。

 ぼくにとって加藤周一さんは、朝日新聞夕刊に連載された「夕陽妄語」であり、『日本文学史序説』でありました。
 文学で言えば、万葉集から大江健三郎まで、同じように語れる稀有の人、という認識です。

 これからの日本で、同じほどの知性を持った論客をわれわれは持つことができるのかしら、という疑念を抱かせるほどの、加藤周一さんの、ご逝去でした。