「オバマ礼賛のマスコミ」

 (日本の)マスコミは、権力に弱い、という特性があります。

 小野善康(阪大)教授が指摘(「SIGHT38号」)するように、2002年まで不況の辛酸を舐めた日本に対し、米政府は「小さな政府にしろ、リストラやれ、構造改革やれ、金融政策やれ。財政再建で景気回復!」と迫っていたのにもかかわらず、今度は、各国が突如「日本の『失われた10年』に学ぶ」と合唱し、大幅の赤字財政と超大型の公共投資を打ち出しのを、多くのマスコミは批判しません。

 当時、公共投資無用論を唱えた日本のマスコミは、なぜ、オバマニューディールにNoと言わないのか、と指摘する松原隆一郎(東大)教授(朝日新聞「論壇時評」09年1月28日)の意見は、ご尤もです。