2009-02-18 「村上春樹のイスラエル批判」 先頃、加藤典洋(早大国際教養学術院)教授が、その著書『文学地図 大江と村上と二十年』(朝日新聞出版)で、大江健三郎と村上春樹は、通説に抗して近似性があることを明らかにしています。 そこで加藤教授は、両者は外国文学から強い影響を受けて自分の文体とスタイルを作り出した点などを指摘しています。 その村上春樹が、イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞を受賞し、その授賞式の記念講演で、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵にたとえたうえで、「私は卵の側に立つ」と述べ、イスラエルを批判しました。 このような言説は、とてものことに、日本の政治家には、期待できますまい。