「海老沢泰久さん御逝去」

 毎年この時分には、暑さが最も厳しくなるため、お亡くなりになる方が増えます。
 昨日の朝刊には、憲法学の長谷川正安先生ご逝去の記事が載っていましたが、作家の海老沢泰久さんも、お亡くなりになりました。

 同氏は、スポーツ小説の傑作『監督』でデビューしたのが、1979年でしたが、それから、『F1地上の夢』や『ただ栄光のために』を発表し、日本にスポーツ小説のジャンルを確立させました。

 それと並行して、恋愛小説も発表し、個人を人称代名詞ではなく、固有名詞で記し、一世を風靡しました。その延長上にある『帰郷』で、直木賞を受賞しました。

 最近は、時代小説の分野に乗り出していたところでしたが、享年59歳というあまりに若い死に呆然としているところです。
 ご冥福をお祈りいたします。