「自民党」

 総選挙の真っ最中ですから、政見放送を視聴なさった方が多々いらっしゃることでしょう。
 驚いたのは、自民党比例区のそれで、麻生総裁による冒頭の謝罪です。

 それは、昨日の朝日新聞編集委員座談会でも、早野透委員が指摘するところで、“麻生首相は(公示日の第一声を)「おわび」から始めた。「おわび」から入ったんじゃ、選挙にならないんだよ。”と発言しています。

 政党のトップがお詫びから始めるような選挙で、その政党は果たして勝つのでしょうか。
 そもそも、自民党が勝つとは、今回の総選挙では、どのような状況を指すのでしょうか。
 8月17日に麻生総裁は、新聞各社のインタビューに、つぎのように答えています。8月19日付朝日新聞より。
麻生首相とのインタビューの主な内容は次の通り。
 ――総選挙での勝敗ラインと、与党で過半数割れした際の責任の取り方はどのように考えていますか。
 いま仲間が一生懸命戦っている最中にあれこれ数字を言うべきではない。負けることを前提に話をすることは(できない)。与党で過半数ということになれば、政権維持ということになる。引き続き、我々は信任をいただいた前提で話をしていくことになる。”

 自民党のトップは、自党の議席が今回の選挙で伸張するとは、考えていないようです。
 自公で過半数の維持が、勝敗ラインというのですから。
 つまり、議席が減っても、与党で過半数を維持すれば、“信任をいただいた”という認識をお持ちの方が総裁をつとめる政党が、「勝つ」ことは難しいですね。
 個別の小選挙はともかく、比例区ではまさしく、「選挙にならないんだ」な。