「ノーベル経済学賞」

 今年のノーベル経済学賞を受賞したのは、エリノア・オストロム(米インディアナ大学)教授でした。
 受賞理由に、スウェーデン王立科学アカデミーは「共有資源は規制や民営化に委ねられるべきだとの従来の考え方に挑戦した」と評価しましたが、たしかに「コモンズの悲劇」とよばれるものは、地域のコミュニティによる自発的管理に任せると、発生しないことがあることをオストロムは証明しました。

 つまり、「みんなの資源」は「誰の資源でもない」と見なされがちですが、そうではないことをオストロムは証明したわけで、もともと政治学者だった同氏が経済学賞を受賞したことで、ノーベル経済学賞が社会科学賞に向かっている趨勢を感じさせられました。