2010-10-26 「『鈴を産むひばり』」 10月24日付け朝日新聞書評欄で、穂村弘が採り上げていたのが、光森裕樹の歌集『鈴を産むひばり』です。 見慣れた世界が、新しい面を見せる、芸術の力を感じさせる短歌が、そこにはあるようです。 たとえば、次のような作品です。いずれも、穂村弘選です。 六面のうち三面を吾にみせバスは過ぎたり粉雪のなか ドアに鍵強くさしこむこの深さ人ならば死に至るふかさか 吾ひとりフロアにくしやみをする時も空を飛びかふ万の旅客機 いいね。このなんともいえない、無駄さ加減。