「小説・大平正芳」

 辻井喬の『茜色の空』を、読みました。
 同書は、元内閣総理大臣大平正芳の生誕百年を記念して、2010年に書き下ろされたもので、小説・大平正芳とあるように、大平正芳の生涯をたどった作品です。
 キリスト教の洗礼を受けた青年期から、東京商科大学(現一橋大学)を卒業後、大蔵官僚となり、池田勇人に見出され、代議士となり、その後、首相として、衆参同日選挙の最中に“戦死”を遂げるまでの生涯を追ったものです。
 そこでは、現今の首相にはみられない大平の哲人ぶりが、生き生きと描写されています。