「『好きなものは何ですか』」
現在学校で、NIEと呼ばれる運動が拡がっているのは、御存じのことでしょう。
改めていうまでもなくNIEとは、Newspaper in Education(教育に新聞を)を略したものです。⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/NIE
中学校におけるNIEの推進者の一人に、らん丈とは10年以上のお付き合いがある、鈴木伸男(町田第二中学校)校長がいらっしゃいます。
その鈴木先生は、新聞を教材に使うほどですから、自らも新聞を発行しています。
それは、「校長室便り“結”」という新聞で、実にマメに発行しているために、間もなく200号を迎えるので、記念に何か書いてくださらないかということで、下に掲げた記事を寄稿させていただきました。
「好きなことは何ですか」 三遊亭らん丈
町田二中の皆さん、こんにちは。
変わった名前だなと思った方もいらっしゃるでしょうが、もちろんこれは本名ではありません。ぼくは落語家なので、このような芸名を通称としているのです。
普段の活動も芸名なので、この原稿もその芸名を使わせていただきます。
落語家は、だいたい300年ほど前に生まれた職業です。
当時の日本は今と違って、士農工商という身分制社会でした。
ですから、今でも落語の世界では身分制が敷かれていて、前座から始まり、二ツ目、真打とだんだん上がっていく仕組みになっています。
学校でいえば、小学校、中学校、高校と上がるようなものです。
その際、その身分に合わせて落語を覚えるのです。
前座ならば前座にふさわしい落語、真打ならば真打にふさわしい落語といったように。
皆さんは、中学生ですから、それにあった教科を学んでいることでしょう。
中学校では、小学校とは違い、算数ではなく数学を学ぶといったように。
ドイツでは、15歳の段階で、将来どんな職業につくのかを前提にして学校を選択します。
日本では、高校を卒業する段階で、将来の職業にあわせて大学に進学するか、それとも専門学校に進学するのかを決めます。
その際、重要なのは、自分が何に興味を持っているのか、ということです。違う言い方をすれば、何が好きなのか、ということです。
好きなものは何か、それを決めると学校の選択で迷わなくなるはずです。