「相撲は、素舞」

 すもうは、現在、相撲、角力、角觝等の書き方がありますが、その昔は、素舞だったと聞いたことがあります。
 つまり、もともとは、農耕儀礼に源を発する神事であり、宮中行事となったもので、舞の一種と考えられ、それこそ、着衣せず、素で舞ったから、素舞となったのでしょう。
 イギリス発祥のスポーツとは、まったくその淵源を異にしているのです。

 ですから、相撲では、勝つこと以上に、礼を重んじる気風が脈々と受け継がれているのです。
 「勝てばいいんだ」「強ければいいんだ」という考え方は、どこを探しても見つけることができないのです。

 さて、朝青龍関ですが、現在モンゴルで療養中です。
 日本のメディアは、ウランバートルから約400キロメートル離れた、朝青龍関の滞在先まで押しかけて、その宿泊施設を取り囲んでいるとのことですが、他にもっと取材すべき対象はあろうというものです。
 相撲への礼を重んじない横綱を取材して、どうしようというのかしら。