「『行政組織論』2(行政改革論)レポート」

 早稲田大学社会科学総合学術院の辻隆夫教授による、早稲田大学大学院社会科学研究科の講義課目『行政組織論』2⇒https://www.wnp7.waseda.jp/Rdb/app/ip/ipi0211.html?lang_kbn=0&kensaku_no=2408は、早稲田大学大学院公共経営研究科の『行政改革論』でもあるのですが、そこで発表したらん丈のレジュメを掲示します。

 レポートは、国際基督教大学の西尾隆教授による「公務員制とプロフェッショナリズム」(公務研究1巻1号、良書普及会)です。

1、概要
1 はじめに
 日本の公務員は、どの程度「プロフェッション」と呼ぶのにふさわしい職業なのか。
 この問いは、もはやアメリ行政学では古典的なテーマとなっている。
 ここにおいて公務員は、選挙によって選ばれる政治家とも、資格と能力は問われない一般市民とも異質な、公務という呼び方でアイデンティファイしうる内的条件と自律化の制度的契機をもたない限り、公務員を専門職業家と呼ぶことに躊躇してしまう。

 近年の日本の公務員をめぐる環境の変化は、この外国研究・学説研究に属する問いを、きわめて具体性・実践性の高いテーマへと押し上げつつある。
 それを以下に箇条書きにする。

1、公から民営化しうる行政事務の性格は、公として成立しない公務員の再定義を迫る。
2、ボランティア活動の重要性が注目されているが、その結果、公務員と市民の間にいかに一線を画すべきかという問題が現れた。
 別言すると、公務員と市民の境を融解させてもなお、公務員のプロフェッションは確保されるのか、という逆説的な問題が現れた。
3、「必置規制」問題では、保健所における医師、図書館における司書、博物館における学芸員など、行政組織の中のさまざまなプロフェッショナル集団の役割をどう評価するのかが議論されている。
4、1996年以降多発している官僚の汚職事件を通して「公務員倫理」のあり方が問い直され、その制度化が政治日程にのぼってきている。

 こうした変化はなにも、公務という閉じられた世界だけに浸潤した現象ではなく、日本の社会全体で進行しはじめている終身雇用制の崩壊、正規外の契約職員といった雇用形態の多様化、労働市場の流動化、医療をはじめとする専門集団への信頼の低下、そして市民の知的水準・能力水準の高まりを反映し、社会の中の「政府システム」の変容をもたらしている。
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