「国民的雑誌」

 近代以降の日本に、国民的雑誌、つまり、多くの国民がそれを読み、そこで得た知見を共有し、共通の話題として成立する雑誌というのは、あったのかしら。

 『文藝春秋』が一時期そんな雑誌視されていたと聞いたことがあります。

 その『文藝春秋』には、様々な名物コラムがありますが、なかで、「巻頭随筆」もそのひとつに数えられるでしょう。

 古くは、小泉信三、田中美知太郎、近年では、司馬遼太郎が執筆していた欄です。
 それを現在執筆しているのが、阿川弘之ですが、それをまとめた『葦の髄から』は現在、同書と以下の2冊『人やさき 犬やさき』、『エレガントな象』が公刊されています。
 いずれも日本語の香気漂う、一服の清涼剤の効果があります。

 ただ、中野好夫毎日新聞で、同じような題名のコラムを書いていたような気がするのですが、タイトルが思い出せません。