「法学界の師弟関係」

 ぼくは落語家ですから、骨の髄まで沁みこんでいるのが、師匠あっての弟子、という師弟関係です。
 落語界における師弟関係は、擬似的な親子関係といってもよいほど、それは濃く、細やかなものです。

 ぼくは今年から、大学院の法学研究科の学生でもあるのですが、法学界における師弟関係も、それに劣らず、濃いというのが実感です。

 それ以前にぼくは、文学部や経済学部にも在学していましたが、法学の師弟関係は、それらとは一線を画し、確固としている、というか、より師匠を大事にする風を感じた次第です。

 つまり、落語界と同じように、師匠がどなたかが、とても大事なこととされているようなのです。
 法学界には擬似的な徒弟制度が、今でも厳然としてあり、それと比べて同じ社会科学でも経済学界では、これほど厳密な師弟関係は、みたことがありません。