「庄野潤三逝く」

 小説家の庄野潤三が、お亡くなりになりました。
 88歳、老衰だそうですが、充実感に溢れた作家活動でした。⇒http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009092302000047.html

 ぼくは、高校生の頃、唯一の楽しみとして土曜日、授業が終わった後、図書館に寄って好きな小説を借り出し、それを土日の2日間で読み終えることでした。
 その多くは、吉行淳之介安岡章太郎遠藤周作庄野潤三ら、「第三の新人」といわれた作家群でした。
 ですから、感慨一入です。

 庄野は、晩年には、思いもよらず、静かなブームといっても好い支持を得ましたから、以て多とする人生だったのではないでしょうか。

 庄野の、一番好きな小説は、『ガンビア滞在記』です。
 この小説もそうですが、庄野は、英国の随筆文学にあふれたユーモアを最も良質な作風で、日本に蘇らせた作家として、名を残すことでしょう。