「いったいなんだ」

 ラジオを聴いていると、ごくたまに、「いったいなんだ」という声やフレーズに遭遇することがあります。
 たとえば、NHKの元アナウンサーの中西龍もその一人でした。
 なにしろ、中西は、一人称に「当マイクロフォン」を使ったのでした。
 一世を風靡した、1977年から1991年までNHKラジオ第1放送で放送された、『にっぽんのメロディー』では、
  歌に思い出が寄り添い
  思い出に歌は語りかけ
  そのようにして歳月は
  静かに流れていきます。
 とオープニングでやったものですから、しびれました。
 三田完が、『当マイクロフォン』(角川書店)で小説化していますが、ラジオの語りに詩を持ち込んだのが、画期をもたらしました。
 こんなことを、昨日の朝日新聞夕刊「ニッポン人・脈・記」を読んでいて思い出しました。