「面妖なる天声人語」
ぼくは、朝日新聞の天声人語を、さほど期待することはなく読むのですが、2月2日の天声人語は、面妖なる論旨でした。
1月14日は首都圏に大雪が降ったのですが、その最中にあろうことか、宅配のピザ屋さんに注文した方の投書が朝日新聞声欄に載っていた、との紹介から書き起こされます。宅配のピザ屋さんは、注文から2時間を経過した後到着し(大雪なのだからさぞやご苦労だったことでしょう)、その配達の方は「全身びちょびちょ、震える赤い手でお釣りを数えている」というのです。それを見かねた投稿者のお母さんが、缶ビールを差し出し、投稿者(10歳)は、「10円菓子を差し出した」そうです。
10円の菓子はともかく、おそらく、オートバイで配達していると思われる配達員に缶ビールを差し出したのにも驚かされました。それを天声人語の筆者は、「雪道がもたらした寒くて温かい話。」だというのです。
そもそも、大雪の最中に宅配のピザを注文する度胸にも恐れいりますが、その配達人に、缶ビールを差し出す神経にも合点が行きません。もっとわからないのが、この投書を声欄に掲載した朝日新聞と、それを紹介した天声人語の筆者です。⇒http://www.asahi.com/special/?ref=com_gnavi