「現代のポピュリズム」

 石田英敬(東大)教授は、「(前略)テレビ、さらにはインターネット、SNSの時代になると『現在』が頻繁に更新されるため、注意力が分散されて深く思考できません。その上、新しい情報を入れるために、古い記憶はどんどん消去されていく。いまやメディアは、出来事を人々に認識させる伝達装置であると同時に、片っ端から忘れさせていく忘却装置となっているのです」
 「このような状況の中で、人気を得たい政治家は、より新奇なことを言って、常に話題の周辺にいるという戦略をとるようになる。橋下市長はその典型です。言葉は人気競争に勝つための道具に堕し、受け手の側もネタとして消費したらすぐに忘れるので、政治家の発言がコロコロ変わっても問題視されない。これが現代のポピュリズムのかたちです」と、朝日新聞のオピニオンで発言されていました。(10月18日朝刊)⇒http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201310170658.html