「漱石の「明治天皇奉悼之辞」」

 『図書』2017年4月号に掲載された、三谷太一郎(東大名誉)教授の、「漱石の「明治天皇奉悼之辞」」によると、漱石は、『法学協会雑誌』に「明治天皇奉悼之辞」を書きました。
 そこで漱石がしるすには、明治天皇日露戦争さなかの明治37年7月、東京帝国大学卒業式において、「御沙汰」として、文部大臣に以下の言葉を与えたそうです。

 「軍国多事の際と雖も教育の事は忽せにすべからず」

 この「御沙汰」は、太平洋戦争の際の大学に対する国家の態度と比べると、著しい懸隔を感じさせる、と三谷教授は記していますが、同感です。