「政治の『政』とは」

 泰斗、諸橋轍次博士が著した「大漢和辞典」を基にして編んだ、『新漢和辞典』(大修館書店)で、「政」を引くと、字解1として、まつりごと。国家の主権者が領土・人民を治めること。「政治」と、説明しています。

 同じ「政」を、白川静立命館大学名誉教授)は、『常用字解』(平凡社)で、「政とは征服した人びとに税を出すことをむちで強制することをいう。」と説明しています。

 同じ字でもその説明は、ずいぶんとその相貌を異にしていますが、そろそろ日本は、現行の世界的に見て極めて低水準にある税負担率のまま、国家を運営して、国民には自己責任を強いるのか。

 それとも、税負担を重くしても、中央政府が国民の生活を親身に見る社会を作るのか、その選択を堂々と国民に問うべき時期が来たのではないでしょうか。