「『まちだ新世紀』会派行政視察報告書」

 視 察 先:秋田県北秋田市ケアタウンたかのす」(在宅複合型施設)
日時:平成18年7月12日(火)午後1時半〜3時
所感
この「ケアタウンたかのす」は、その施設名からも分かるとおり、行政単位が現在の北秋田市になる(平成17年3月22日)以前の、鷹巣町だった当時、平成10年12月に完成したものです。
 翌平成11年3月に、住民参画のまちづくりのシンボルとして、オープンに先立ち一般公開したところ、4日間でなんと、2,600名もの見学者が訪れるという活況を呈しました。ちなみに、平成12年の国勢調査によると、鷹巣町の人口は、21,818人ですから、町民の約12パーセントの方々がこの、「ケアタウンたかのす」に足を向けたことになります。
 それを受けて、同年4月に「ケアタウンたかのす」は、オープンしました。

1)「ケアタウンたかのす」は、在宅と地域を結ぶ中核施設として、福祉サービスの拠点として、誕生しました。
 したがって、当施設は在宅複合型施設と銘打っているのです。
 そのために、隣接する中学校とは、密接な提携関係を結んでいますし、施設の推進役は住民によるワーキンググループが担っています。

2)「ケアタウンたかのす」の業務内容を、以下に記します。
 介護老人保健施設、ショートスティ(短期入所生活介護)、デイサービス(通所介護)、在宅介護支援センター及び居宅介護支援事業、補助器具センターたかのす、訪問介護ステーション、訪問介護事業(24時間365日利用可能)、サポートハウスたかのす(通所介護、高齢者住宅、授産施設と配色サービス)。
 上記のように、デイサービスや訪問介護事業においては、24時間1年中常に利用が可能なシステムを構築しました。
 このように、実に多様な事業展開をしています。

3)建物は、グッドデザイン賞を受賞しているほどですから、素晴らしい外観で、目を引きます。

4)施設内に居酒屋を設けるなどして、施設をタウン化し、長期利用者の活性化を図る取り組みがある。

 また、食事はバイキング形式をとり、利用者の自己決定権を尊重しています。
 その際、真空調理法をとり、味わいと衛生面には特に、配慮しています。

5)入居者においては、全室個室で対応している。このため、プライバシーは確保できるが、その分、利用料は高額となってしまう。
 ただ、そのことによって在宅の延長として生活ができるために、QOL(Quality of Life=生活の質)は、維持できています。

6)ただ、どこもそうですが、財政難の波は当施設にも及んでいます。
 たとえば、合併を機にグループホームは廃止されましたし、以前、最も手厚く保護されていた当時の委託料は、年間9億7千万円に達していたそうですが、今や、2億円にまで、激減し、それも2006年9月から実施される指定管理者制度によって、近い将来、0円となり、すべて介護報酬でまかなうことが、予想されるとのことでした。