「戦後、国民党軍と合流させられた日本軍兵士」

 今日もまた、旧日本軍のことです。

 朝日新聞8日夕刊1面「戦争 未完の裁き1 ラブレター200通戦地発」によれば、中国山西省で、ある旧日本軍兵士は、「肝試し」と称する新兵訓練によって、上官の「かかれっ」という号令のもと、無辜の中国人を銃剣で刺し殺したそうです。
 そのときの彼らの怒りを含んで見開いた目を忘れられない、とその旧軍人は語っています。
 ここまでは、ぼくも知っていることでしたが、以下のことは初めて知ることです。

 昭和20年8月の敗戦後、旧軍人に「君たちは山西省に残ってくれ」という上官の命令が下されたのです。
 無論、その命令に背くことは出来ません。

 当時中国では、蒋介石の国民党と毛沢東共産党の内戦が始まっていました。
 山西省に残っていた日本兵2,600名は、国民党軍と組んで3年半、共産党と戦い、550人が死にました。
 戦後の戦死です

 ある旧軍兵は、昭和29年9月に帰国。
 待ち受けていたのは、「逃亡兵」同然の扱い。

 このように、理不尽だらけの戦争を、日本人は経験させられたのです。