「早実のユニフォームと今日の朝日新聞」

今日の朝日新聞朝刊は、面白かった。

 ぼくは朝刊の場合、先ず、大岡信の「折々のうた」から読みます。
 今日の歌は、下記の通りです。

  わが指を乳吸ふごとく吸ひながらねむる子の顔見つつ酒飲む     相馬御風

 相馬御風は、早稲田大学校歌「都の西北」の作詞で有名ですが、早大の系属校早稲田実業の校歌も相馬御風の作詞です。

 その知識は、今日の天声人語で得ました。おそらく天声人語の筆者は、早大OBなのでしょう。
 言うまでもなく、天声人語は、昨日高校野球選手権大会で初優勝した早実を、主催紙として採り上げたからです。

 早実のユニフォームは、早大野球部のイミテーションですが、あれほどまでにデザイン性を排除したユニフォームは惚れ惚れするほどですね。

 つまり、朝日の一面は同日に2回、相馬御風を採り上げているのです。
 大岡信はそれを狙って敢えて今日の「折々のうた」で、相馬御風を採り上げたのではないかしら。
 夕刊の連載小説は、吉田修一の『悪人』ですが、この小説はぞくぞくするほど面白い。
 未読の方は、是非、単行本化されたらお読みなると好い。
 吉田修一は、小説の情景を読者に現前のものとさせる腕が、今日無双の書き手だと、ぼくは信じます。