「私の愛誦句」

 ぼくが属する芙蓉俳句会の会誌、『季刊芙蓉』に載せた「私の愛誦句」を七句ここに、掲示します。

  花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ  杉田久女
  妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る 中村草田男
  春の灯や女はもたぬのどぼとけ  日野草城
  蚊帳出づる地獄の顔に秋の風   加藤楸邨
  ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜 桂 信子
  飲食をせぬ妻とゐて冬籠     森 澄雄
  愛されずして沖遠く泳ぐなり   藤田湘子

 ごらんのように、“恋愛”をうたった俳句を選びました。