「エマニュエル・トッドの『核兵器論』」

 今日は早大で、「経営学」と「政治行動論」の講義を、受講しました。
 「政治行動論」⇒http://www.h3.dion.ne.jp/~asanom/kodoron.htmlは後期では、専らゲーム理論について学んでいます。

 担当の浅野正彦先生http://www.takushoku-u.ac.jp/lectures/html/kyoin/b0095.htmlによれば、今日の米国政治学は、歴史学としての政治学はもはやメインストリートではなく、主流はゲーム理論に移行し、そこから、コンピュータシミュレーションへの移行途上だというのですから、日本の政治学の現状を考えると、隔世の感を覚えます。

 今日の朝日新聞朝刊で、論説主幹の若宮啓文エマニュエル・トッドが対談しています。
 そこで、トッドは「核兵器は偏在こそが怖い。」といいながら、広島、長崎の原爆投下は当時米国だけが核兵器を持ち、インドとパキスタンは両国が核武装したことによって和平が進捗し、中東が不安定なのはイスラエルのみが核兵器を持っているから、日本も核兵器を持てばいい、と自民党政調会長のようなことを言っています。http://www.asahi.com/politics/update/1029/001.html

 中川昭一政調会長の真意は測りかねますが、「核兵器は安全のための避難所。核を持てば軍事同盟から開放され、戦争に巻き込まれる恐れはなくなる。ドゴール主義的な考えです。」と、トッド氏は言っており、興味深いとは思いますが、ぼくはその考えに賛成しません。