「『〈子ども〉のための哲学』」
新書といえば最近では、養老孟司『バカの壁』、藤原正彦『国家の品格』の2冊が途方もない売上げを記録していますが、もちろん、それ以外にも読むべき新書は、実にたくさんあります。
たとえば、宮崎哲弥が戦後啓蒙御三家とよぶ、丸山眞男、大塚久雄、川島武宣は言うに及ばず、ぼくは岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』(岩波ジュニア新書)をお奨めします。

- 作者: 永井均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/05/20
- メディア: 新書
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この本で扱っている問題は、たった二つだけです。
ひとつは、“なぜぼくは存在するのか”、もうひとつは、“なぜ悪いことをしてはいけないのか”。
ここでいう、子どもの哲学の大きな特徴は、純粋に知的なことです。
同書で最も腑に落ちたのは、次の言葉です。
“思想を持てば、思考の力はその分おとろえる。”