「花冷えに、色を思う」
今日のように、桜が咲いている時分に、急に冷え込み、冷たい雨が降っている状態を“花冷え”といいます。
日本人は、古来このように、気象を表わす言葉は多いのに、色を表わす言葉はごく少ないのです。
それを証明するように、山口佳紀(聖心女子大学)教授は、「古くは日本では、色を示す表現は赤、青、白、黒の4色だけでした」と言っています。
たとえば、青菜といいますが、この場合の青とは、blueではなく、greenですし、信号の青は、greenです。
このような日本において色の表現が曖昧なのは、古くは4色しか表現する言葉がなかったからなのですね。