「電信柱と電線」

 司馬遼太郎の『この国のかたち』六にある、「旅の効用」に、“自分が属する社会の本質など、常日頃は気づかない。何かで気づかされたとき、突きとばされたような驚きをおぼえる。”と記されていますが、なるほど、そうですね。

 たとえば、朝日新聞5月9日夕刊「エチエンヌのクールジャパン」を読んだところ、“電信柱と電線。柱に取り付けられた変圧器からあちこちに枝分かれして空中を走る電線を、僕は日本に来て初めて目にした。”という記述がありました。

 これなどは、このような指摘がなければ当然視しているところです。
 たしかに、ヨーロッパには、自動販売機と電信柱と電線は、ほとんど目につきません。