「穂村弘の短歌時評」

 今日の朝日新聞朝刊に掲載されている、穂村弘の「短歌時評」を読むと、なるほど、と思わせる言葉に行き当たりました。

 それは、さる4月5日にお亡くなりになった前登志夫さんと、穂村氏は生前に2度お話をする機会をもてたことを、「間に合った」という言葉を使って表現しているのです。

 “即ち「生身で話すか、せめて一方的に姿を見る機会をもてたかどうか」は、その良し悪しは別として意外に大きな意味をもつのではないか。”と穂村氏は続けますが、まさしくおっしゃるとおりですね。

 たとえば、ぼくは落語家として、三遊亭円生師匠、(先代)林家正蔵師匠、林家三平師匠の高座を寄席で見られたことがどれだけ栄養になっているか。

 (先代)金原亭馬生師匠、(先代)柳家小さん師匠、古今亭志ん朝師匠を、楽屋でお世話させていただいたことを、誇りに思っています。