「『日本語が亡びるとき』」

 水村美苗の『日本語が亡びるとき』(筑摩書房)は、憂国の書です。

 「21世紀、英語圏以外のすべての国民は、〈自分たちの言葉〉が、〈国語〉から〈現地語〉へと転落してゆく危機にさらされている。それなのに日本人は、文部科学省を含め、「もっと英語を」の大合唱の中に生きているだけである。」
 「真に〈叡智を求める人〉たちが、日本語で読み書きしなくなったらいったいどうするのか」(「ちくま」2008年12月号)

 深い憂いに縁取られた書です。