「方言の素晴らしさ」

 中井久夫が「図書」に連載している、『私の日本語雑記』−十七(3月号掲載)を読んでいたら、面白い箇所に行き当たりました。

 “多くの日本人が共通語を使う時には、漢字の裏打ち、時には英語をはじめ欧米語の裏打ちがある。(略)これに対して方言には漢字はもちろん、仮名さえついてこない。そして、音調が自然だから、二人の対話は時々一つの文章を二人で作っているような気がする。”

 たしかに、方言には漢字は似合わないです。