「忙しい大学生」

 ぼくが初めて大学に入学した当時(1977年)の学生生活は、司法試験や公認会計士、国家公務員1種試験を受験しようというのならば兎も角、卒業さえ出来ればいいや、という学生にとっては、じつにのんびりしたものでした。
 それでも、卒業単位は最低130単位、外国語は2言語が必修でした。

 今は、卒業単位は、最低で124単位ですし、外国語も1言語のみで卒業するのが可能な学部が多いのです。

 ところが、当時と今の学生を較べると、紛れも無く今の学生の方が、はるかに多忙です。
 それは、なぜでしょうか。
 早過ぎる、就職活動の開始。多くなった必修科目。など理由はいくつか挙げることができますが、一番の理由は、大学の大衆化だと思います。

 つまり今日では、大学をただ卒業しただけでは、なんの価値もないのですから、そこに付加価値を付与させるために、忙しくなっているのではないでしょうか。

 昨日の朝日新聞朝刊「キャンパスブログ」で、汐見稔幸(白梅学園大)学長が指摘しているように、“人間には、仕込むだけではなく発酵させる時間も必要ではないか”と、ぼくも思います。