「ヴィルヘルム・ケンプ」

 ぼくがまだ小学生や中学生の頃、お盆や何かで、親戚の者が集まると、男たちはたいてい酒を飲み始めたものです。
 これは、大抵の家庭で広く行われたことでしょう。
 そこで、ぼくが苦手だったのは、自慢話とカネの話でした。
 これほど、ぼくにとって、聞いていてつまらなく、興味の持てない話は、ほかにありません。

 そういう場所で、芸術やせめて、映画の話だったら、ぼくも加わりたかったのですが。

 今、このブログを書きながら、その腹いせのように、ヴィルヘルム・ケンプショパン「葬送行進曲」を聴いています。
 何が腹いせだか、よく分かりませんが。