「プロとは」

 「プロとは、なんらかの奇跡を現場で起こしてしまう人間である」と、橋本治は、『「わからない」という方法』(集英社新書)で記していますが、たしかに、そうだと思います。⇒http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0085-c/
 たとえば、寄席の楽屋に入って、奇跡とも思えるような落語をかたる噺家が、ごろごろいるのにはまいりました。
 どうやったら、あんな落語家になれるのだろうか、と途方に暮れたものです。
 なかでも、古今亭志ん朝師匠の落語は、これは、もう奇跡の連続でした。