本田竹広「ふるさと」を聴きながら、明日は「ふるさと町田寄席」
ぼくは、家にいるとき、殊に自分ひとりでいるときには、ほとんどテレビを見ません。
それは、見たい番組がないからです。だれかが、今の日本のテレビを指して、「バカが作って、バカが出て、バカが見る」といっていましたが、言い得て妙です。
ただ、何事にも例外はあり、たとえば、「NHKスペシャル」、NTV「NNNドキュメント」、TBS「ドキュメント・ナウ」などは、時間があれば見るようにしています。
今日は、日航123便が御巣鷹の尾根に激突したあの日から、丁度20年目の祈念すべき日です。
ぼくは、吉岡忍『墜落の夏』―日航123便事故全記録(新潮社)を、発売当時貪るように読んだものですが、それを原作にした番組も制作されたようです。
今日ばかりは、テレビを見ましょう。
では、自室では何をしているのか、ほとんどの時間、活字を追っています。JAZZを聴きながら。
ぼくは貧乏なので、オペラは未だかつて見たことがなく、クラシック万般はお金が掛かるので、専らJAZZです。
それも、日本人以外はlive入場の際に、お金が掛かるので、日本人のJAZZを聴く機会が多い。
山下洋輔、森山威男、古澤良治郎、板橋文夫、大西順子、そして、本田竹広。
つい先だって本田は、ベートーベンの「月光」を、演奏会で披露して話題となりましたが、国立音大ピアノ科で嘱望されていた(本田がJAZZの道に入ろうとしたところ、指導教授が泣いて翻意を促したという)クラシックピアノを、本田が人前で弾いたのは、そのとき以来になる、ということです。
そのコンサートでは、結局、体調不良のため(本田は2度にわたって脳内出血を患っており、左半身が不随となった過去がある)、「月光」の第一楽章のみを演奏した、ということですが、本田の最新CD「ふるさと」は好いですよ。
そこに収められているのは、「赤とんぼ」「夕焼け小焼け」「月の沙漠」など、だれもが聞いたことがある童謡の数々です。
その珠玉の音を指して五木寛之は、“命をよみがえらせる演奏”と名付けましたが、正しく、命を生き延びさせるような音が、ここには横溢しています。
本田はこのCDを吹き込むためにこの世に生まれた、といっても過言ではない、畢生の音楽がここにはあります。
よって、強くお奨めする次第です。
そして、明日は、地元の町田市で定期的に開いている「ふるさと町田寄席」の開演日です。 場所は、町田市民フォーラムで、午後2時開演です。
詳細は、らん丈HP⇒http://www.ranjo.jp/にある通りです。
御一人でも多くの方々のご来場を、切にお待ち申し上げております。