「EPIによれば、日本は先進国で最も大学に進学しにくい国」

 6月20日朝日新聞夕刊「窓」によれば、EPI(米国の教育政策研究所)は、若者が教育を受ける制度や機会について調査をするNGOだそうですが、そのEPIによれば、欧米、豪州、日本など先進16カ国・地域を対象に、国民から見て大学に進学しやすい国かどうかを調査したところ、最も進学しやすい国は、スウェーデン。以下、2位フィンランド、3位オランダと連なったそうです。

 それに較べて日本は、最下位という調査結果でした

 日本の場合、高等教育に対する財政支出GDPに占める比率は、OECD30カ国平均の半分であり、家計の負担は、平均の2倍、という調査結果もあります。

 この結果によれば、少子の国日本の18歳は、大学に進学する際、選り好みをしなければどこかの大学には入学できるものの、その学費を負担するのは、専ら大学生とその親という事情が、垣間見えます。

 また、潮木守一(桜美林大学教授)が(日本経済新聞7月28日「大学淘汰の時代」で)指摘するように、過去40年間、米国でも日本でも、大学生数は4倍に拡大しましたが、米国ではこの増加分の8割は州立大学(日本で言えば国立大学)が担っているのに比して、日本では逆に8割が私立大学の拡張によって、達成されました。

 つまり、日本の高等教育の拡大は、公的な資金によってではなく、親から集めた資金によって達成されたことは、覚えておいてよい事実です