「北海道夕張公演」で考えたこと
今日は、北海道の夕張市教育委員会の依頼で、市内にあるすべての中学校4校の全生徒さんに、落語を聴いていただく公演を済ませてまいりました。
上記のように、夕張市内には現在全4校の中学校があるのですが、そのすべての生徒さんを集めてどれほどの人数になると、思いますか。
全部で、約240名なのです。
すると、一校では平均して、60名。1学年では、20人ということになります。
これは、都会の中学校では考えにくい事態です。
そもそも、夕張市は炭鉱で栄えたまちですが、炭鉱がなくなったために人口は激減し、いまや約1万3千人という規模にまで減っているのです。
だから、上記のように中学校の生徒が一学校あたり、約60名という生徒数なのです。
また、市内の繁華街を歩いても、活気というものが感じられませんでした。
ただ面白かったのは、前市長が映画好きだったそうで、その影響からか、夕張市では映画祭を開催し、その関係で、東西の名画のポスターをあしらった看板を多数見かけたことです。
あるいは、ぼくが泊まったホテルでは、山田洋次監督の名画「幸福の黄色いハンカチ」に因んで、黄色いハンカチを満艦飾さながらになびかせていました。
寂寞感を感じさせる繁華街は、なにも夕張市に限らず、地方に行くとさほど珍しくなく見かける光景であり、日本の未来を暗示させる光景でもあるのです。
都会に住むものとしては、都市住民の納めた税金が、地方交付税や国庫支出金として、地方に移転させられてきたことに不満を覚える者もいますが、これはある意味で、仕方がない、という気にさせる、寂れた光景でもあったのです。
ときあたかも、現在展開中の5全総をもって、全総はその歴史を終えることが決まっています。
全総の考えの主柱である、「国土の均衡ある発展」「地域格差の是正」と、今話題の「三位一体の改革」は、どのように連繋させるべきか、これはもっと深く考えなければいけないことだと、再認識させられた今回の北海道行でした。
ちょうど総選挙の最中、夕張市が選挙区となる北海道10区は、元青ヶ島村教育長だった飯島夕雁が自民党新人候補として、前職の元自民党、山下貴史候補に当てられて立候補していました。