「国勢調査に悩む落語家」
茨城県の坂東市では、男性の国勢調査員が、何度行っても国勢調査に協力してくれない市民がいるのに業を煮やし、とうとう担当した調査票を燃やしてしまった。
という、とんでもない人がいましたが、あの調査票の記入には、あたしゃ、困った。
前回の国勢調査では、たしか、学歴欄があって、そんなことを国家が把握して、どうしようというのかと、いぶかしんだものですが、今回困ったのは、就業者についての欄で、“9月24日から30日までの1週間に仕事をした時間”での、回答です。
回答欄には、ただ、時間を書くだけなのです。
たしかに、勤め人の法定労働時間は、週40時間ですが、週40時間も高座で落語を話すことができる落語家は、皆無なのではないでしょうか。
それは、話せないのではなく、話したくてもそれを許す高座がないためです。
テレビなどで売れっ子の落語家で初めて、可能な時間数でしょう。
これは、落語家に限りません。
たとえば、プロ野球選手の場合、プレーオフに関係がないパ・リーグチームの選手は、試合がなかったので、0時間ですし、お相撲さんも、本場所が開かれていなかったので、稽古を別にすれば、0時間です。
このように、この調査は、自由業者にとっては、きわめて書きにくい項目なのです。