「『UP』4月号東大教師が新入生にすすめる本」

 『UP』とは、UNIVERSITY PRESSのことで、東京大学出版会が発行している雑誌です。
 つまり、東京大学にとっては東京大学こそが、唯一のUNIVERSITYなのだから、何憚ることなく堂々とUNIVERSITY PRESSと銘打っているのでしょう。
 見上げた特権意識です。

 さて、その『UP』では、4月号で、東大教師が新入生にすすめる本を1988年以来毎年掲載しており、今年はその20年目の節目の年です。
  そして今日は、東大にとっては創立130年目の記念すべき日であり、本日行われた入学式で、小宮山宏総長は、「東大が目指すのは、日本ではなく世界の知の頂点」とおっしゃっているのですから、むべなるかなUNIVERSITY PRESSであります。

 なかでぼくが特に注目したのは、経済学部・公共政策大学院の大橋弘准教授です。
 阿部謹也の『自分のなかに歴史を読む』(筑摩書房)を取り上げて、「解るとは、それによって自分が変わることである」という言葉が心に残りました。