「超富裕層の税負担逆転現象」

 16日朝日新聞夕刊によれば、2005年に5,000万円を上回る申告所得があった富裕層の所得税負担率が、所得が3,000万円超5,000万円以下の層よりも、低額になったそうです。⇒http://www.asahi.com/life/update/0416/TKY200704160195.html
 ちなみに、このような逆転現象は10年ぶりとのことです。

 これは2003年から、上場株式の売却益と配当について、10%に引き下げる証券優遇税制が導入された結果、株価上昇に伴う恩恵が富裕層にもたらされたためと見られます。

 これは、所得税による富の再分配機能が低下している現象ともいえます。

 関口智(立教大学経済学部)准教授⇒http://www.rikkyo.ne.jp/grp/cri/ken/vin/sekiguchi_s.htmlは、「高額所得者が株式などの金融資産を多く持っていることが、そのまま統計に反映されたのだろう。現在の10%の軽減税率は国際的に見ても低い。給与所得と合わせて課税する総合課税や軽減の廃止などを検討すべきだ」と話している、とのことです。

 これは、富裕層は証券によって財産形成を図っている証左なのでしょうが、この逆転現象は一刻も早く是正すべきではないでしょうか。